理事長所信

不撓不屈
〜感謝の想いが未来への一歩となる〜

2019年度 理事長 三島 透

【はじめに】

 人はこの世に生を受けてからどのくらい成長できるのだろうか。人生の歩みを進める過程で立ちはだかる壁や困難な事柄に対して、目を背けたり逃げ出したりしていないだろうか。挑戦を繰り返し己の経験値にできるチャンスを逃していないだろうか。そんな自問自答を繰り返すと、人は必ず誰かに支えられて生きているのだと気付かされ、感謝の念に満たされるのです。
 だからこそ相手を想い、感謝の心を忘れずに伝えなければなりません。それは自分自身が成長した姿を見せることの他にはないと考えます。成長とは、覚悟を持って苦労する道を選び、自らの限界を定めずに不屈の精神を持ち行動することです。それは自らも人に支えられているように他の誰かを支えられること、出来なかったことが出来るようになることであり、そうした自分自身の力や可能性を信じることから始まります。そうして踏み出す一歩は、周囲の人に影響を与え、人からまちへと力強く波及し、このまちのすべての人に無限の成長への可能性が実現できる力となり、明るい未来になると確信します。

【郷土愛を深め次世代につなげるまちづくり】

 我々の住み暮らすこのまちは、ロマン溢れる歴史とそれを彩る自然を感じる景観が存在しています。古くから形をそのままに残し、当時の人々の活躍していた頃の面影や音色が想像できる歴史的遺産。住宅街の中に雄大な広がりをみせる景観を、目や耳や体で感じることができる公園。季節の到来を知らせてくれる大小の色とりどりの花を咲かせる風景など、多くの魅力が溢れています。
 そのような環境の中で、四季折々の美しい景観を楽しみながら、老若男女の人々が世代を超えて、地域の魅力や問題を語り合う姿は、まちに賑わいをもたらすことができると考えます。そして自然や歴史などが今に残る天災の少ないこのまちにおいて、行政や地域との支え合いや助け合いの心の育成と、このまちを愛し、守らなければならないという当事者意識の醸成は、賑わいの原動力となるのです。
 また、今に残る歴史や自然の大切さを再度学ぶ機会を設け、今まで守られてきた恩恵に感謝し、誇れる魅力を知ってもらうことは、責任感を持ちこのまちの問題解決に取り組んでいく愛郷心の芽生えの源となり、「このまちを支えたい、このまちに戻ってきたい、このまちをより良くしたい」という想いが、次世代につながるまちの実現になると確信します。

【不屈の精神を持つ子ども達】

 子ども達が元気に走り回り、それを見守る地域の大人達がいる。人々の笑い声が生み出す穏やかな風がまちに吹いている事は、現代社会において失われつつある世代を超えた温かいつながりを築き、子ども達の育成において、なくてはならないものです。この温かいつながりは、子どもを想い子どもの成長を考え、見守る時には見守り、褒める時には褒め、叱る時には叱る。このような当たり前の事の原点であると考えます。
 多感な成長期に様々な実体験を通じ、失敗と成功を繰り返しながら、成長をしなければならない子どもたちは、現在様々なツールにより簡単に世界中の人とつながることができ、相手の見えない関係が簡単に作られる環境の中にいます。その関係性により、相手の表情や感情を読み取る力や考える力は養われず、様々な視点で考え、物事の本質を追求する力が培われないことを危惧します。
 今、子どもたちに必要なものは自然の中で生命の有り難みや、自分たちが生かされていることを肌で感じることで、豊かな感性を育み、子ども達同士で協働することで、社会性を養うことだと考えます。豊かな感性や社会性が養われた子ども達は、自ら様々なことに興味を抱くことで探求心が芽生え、失敗しても挑戦をすることをあきらめない、不屈の精神を持つ子どもへと成長するのです。

【人財発掘と組織づくり】

 全国的にもメンバーの減少が深刻な問題である現在、我々は当事者意識と目的を再確認し、どのような行動をするべきかを自ら考えなければなりません。それにより創始の精神と地域への発信力は、次世代へと受け継がれていくと考えます。
地域に根差し未来を見据える青年会議所という組織の中で、普段の環境ではできない体験や、日本中に広がる同志とのつながりを肌で感じることは、数多くの気づきを得られる機会となります。その機会を逃さず本気で取り組むことにより、自己成長への経験値となります。
 だからこそ限られた時間の中で最大限の運動を行うために、このまちを愛し豊かなまちの実現を考える新たな人財を発掘し、ともに切磋琢磨できるメンバーの拡大と会員の研修が必要であると考えます。まちの問題に対して、広い視野で本気の議論を交わす中で、互いを本心から知り、情熱をもって行動できる人へと成長し、責任世代の我々にしかできない、英知と勇気と情熱を兼ね備えた行動力を礎にした組織づくりが必要だと考えます。

【一度しかない人生】

 このまちで暮らしている我々は、この限られた時間の中で子ども達の成長や明るい豊かな社会の実現のために行動し、愛する自然や歴史を次世代に継承し、地域を巻き込み更なる発展のために未来へ伝えていくことが必要であると考えます。ひとり一人の力は小さくても、同じ明るい豊かなまちの実現という志を持った青年が当事者意識を持ち、積極的に踏み出す力強い行動を起こすことにより、潜在能力を呼び醒ます一歩となります。
 一度しかない人生において、物事を決断するのは自分以外に誰もいません。信念を持ち決断して進んだ先には、多くの方々の見えない力に支えられていることに気づき、感謝の気持ちが溢れてきます。
 我々は、まちを美しく輝かせる個性の集まりです。創立から57年に渡り年輪を重ね、地域に根ざしたまちづくり運動は、今後も成長しながら展開し続けていかなければなりません。まちの問題点に目を配り、まちの声に耳を傾け、苦労や困難を成長への糧とし、恐れず果敢に挑戦することで、無限の創造力と秘めた可能性を最大限に引き出し、明るい豊かなまちの実現につながると確信します。

たった一度の人生。
志を抱いて歩むかぎり、それは必ず成長の糧となる。
どれほど苦しくとも、道を歩み続けていこう。
その先にある未来のために。