~まちに捧げる熱い想い~


公益社団法人 行田青年会議所
2018年度理事長 赤羽 一真

【はじめに】
 現在の科学技術は驚異的な速さで発展し、その利便性は日常の生活において無くてはならないものになっています。中でも莫大な情報から合理的な回答を導き出していくAI技術は、更なるスピードで進化し、人間生活の構造を大きく変えていくと考えます。そうした急速な進歩にのみ込まれる事なく、私たちが生き抜いていくためには、人とのつながりがあってこそ生きていけることを再認識し、自身の存在価値を見出していかなければなりません。
 そのためには、相手の成長を願いお互いに切磋琢磨する心、人は決して一人では生きていけないと認識し助け合う心、他者のために自ら行動しなければならないと思う利他の心を持ち、愛という人が持てる最高の価値を抱く必要があります。それは、自分の損得には目もくれず相手のことを考え、自分の考えを押し付けるのではなく相手の成長を願い行動することで、お互いが成長できる最高であり最幸の奉仕のことです。この愛という価値が地域全体に溢れることが、生まれ変わってもまた住みたいと思えるまちの実現になると考えます。

【愛溢れるまちのために】
 私たちの住む行田市は、少子高齢化や若者世代の流出といった問題から、人口減少が進んでおり消滅可能性都市として指定されている現状があります。核家族化が進み、子どもを出産しても子育てがしづらい環境や、自分たちの住むまちに対して魅力や愛着を抱くことなく、他のまちへと移り住んでいく人の増加が背景であると考えます。私たちがこれから取り組むべきことは、子どもが活き活きと過ごせ、子育てがしやすいまちを創造していくことです。
 そのためには、他のまちの情報や成功事例を模倣するのではなく、このまちに住んでいる人たちが集まり問題を考えていく中で、行田でしかない歴史遺産や自然といった特色に着眼し、子育て世代や若者の新しい発想と行動力を活かした解決策を見出していくことが必要です。
自分たちがまちのことに対して積極的に関わり、多くの人で様々な角度から意見を出し合い、解決していくことは、まちの今までにない新しい魅力を創造することができ、子どもからお年寄りまでが集う愛郷心溢れる自立したまちになると確信します。

【思いやり溢れる子ども達】
 現在、子ども達を取り巻く環境は通信機器の発達により便利になる反面、直接的な人や地域との接点は少なくなっています。それは自ら考え行動する力を育てる事や、様々な価値観や考え方に触れる機会を減少させ、将来、広い視野を持たずに自分のことしか考えられない自己中心主義の大人に成長してしまうのではと危惧します。
 子ども達は、多感な幼少期に様々な人と出会い、多くの価値観や考え方に触れることで、多様な考え方ができるようになります。また、自然の中で実際に見て触れて聴いて、五感を刺激することで、豊かな感性が育まれていきます。そして、仲間と共に一つの目標に向かい切磋琢磨し目標を乗り越えることで達成感や感動を味わい、その中から相手の立場に立ち、相手のことを考え行動できる、愛情を備えた子どもへと成長出来るのです。
 また、子どもは大人の背中を見て育ちます。私たち大人世代も子ども達の成長を見守り、何事に対しても真剣に取り組み、子ども達の成長は自分たちに懸かっているという責任を自覚し、良き模範となることが重要です。地域の大人の愛情により育まれた子ども達が豊かに成長し、未来の子ども達に愛情を持っていくことで、思いやりの溢れる子ども達の育成が、未来永劫続いていくと確信します。

【強固な組織であるために熱くなれ】
 近年、多くの青年会議所が会員の減少という大きな問題を抱え、LOMの存続の危機に直面しております。私たち行田青年会議所メンバー全員がこの問題を認識し、会員拡大やJC運動に対しての意識を高めていかなければ、まちの変革者として常に先頭に立ち、行動していくという使命を果たすことは出来ません。自分たちがまちを変えていくのだという熱い心と、己の殻を破る勇気を、次代へと引き継いでいく責任を自覚しなければなりません。
 そのためには、日々の活動や会員研修を通じて青年会議所の目的や魅力を再認識する必要があります。そして仲間と共に熱い議論を交わし、ただ手を差しのべるではなく、相手の成長を考え時には厳しくすることでお互いに磨き合い、JAYCEEとして魅力のある地域のリーダーへと成長します。
 また、仲間が一人でも多く増えれば、それだけ多くの知恵や視野が広がり、より多くの意見や議論を重ねることでメンバー同士の絆が深まり、何事にも動じない強固な一枚岩の組織となります。そして周りの人たちを巻き込み、明るい豊かな社会の実現へと真剣に取り組んでいる姿こそが、更なるメンバーの拡大へと繋がり、地域に根付いた組織へ発展していくと確信します。

【地域との懸け橋】
 青年会議所は動員や、PRが下手と言われ、地域の人達からも青年会議所は何をやっているのか分からない、または存在自体も知らないといった声も聞こえてきます。私たちがどれだけ運動を行っていても、参加する地域の人達と目的や想いを共有できなければ、各事業は自己満足で終わってしまいます。
 これから先、私たちの運動を地域の方々に知っていただくには、私たちが一方的に情報を発信していては、消極的な広報にとどまり、動員や認知度の向上にはつながりません。広報において、人から人へとつながる口コミが一番効果的なことだと考えます。今まで培ってきた行政や諸団体とのつながりを活かし、自らの足で駆け巡り、汗をかいて地域の人と人とをつなげる能動的な広報をしていくことで、地域の方々に、より効果的に事業の趣旨を伝え興味を抱いていただけると考えます。

【愛という最高であり最幸の奉仕】
 他者へ愛を与えることは、人間にとって最高であり最幸の奉仕です。この奉仕を実践していくことで、受けた人に愛が生まれ、その人は自分が受けたように与える側となり、社会全体が自己中心主義から脱却し豊かな心が溢れる地域へとつながります。私たちはまちや地域の人、子ども達に対して常に意識を向け、歩み寄り、耳を傾け、相手のことを想い、自分には何ができるか考え、実践することができる成熟した人間へとならなければ、愛を与えることはできません。
 行田青年会議所は、このまちのことを常に想い運動してきました。まちを愛し、地域の人を愛し、子ども達を愛し、見返りを求めず先輩諸兄が行動してきたからこそ、今のまちがあります。現在の責任世代である私達は、この想いを次代に引き継いでいかなければなりません。私たちは青年会議所運動を通して、必ず成熟したJAYCEEへと成長できます。私たちの自らを捧げる熱い想いがこのまちに広がれば、このまちには愛が溢れ、誰からも愛される誇りあるふるさとになると確信します。

愛はもらうものではなく 与えるものである
愛を受け取った人には 愛が芽生え 愛を与える人になる
愛の花束を このまちへ